Dr.川島のスキンケアコラム

女性ホルモンの一つであるエストロゲンは美肌ホルモンとも呼ばれ、女性の肌で大切な働きをしています。
主なものを挙げると、表皮細胞を活性化して角層の機能を高め、皮膚の潤いが増し、バリア機能を高めてくれます。真皮においては、線維芽細胞を増殖させ、コラーゲンとエラスチンを増加させ、肌の張りや弾力の維持に役立ちます。また、蛋白分解酵素を減らし、しわの形成を抑制してくれます。髪の毛にも作用して成長期を延長させることにより発毛促進にも働きます。

このように様々な良い作用を皮膚に及ぼしますので、エストロゲンが減少するとそれだけ肌にも問題が生じてきます。月経周期を考えますと、排卵日のころにエストロゲンはピークに達しており、その後生理にかけて減少していきます。そのため、生理前には肌荒れが生じたり、ニキビが出てきたりするのです。肌だけでなく、体や心にも影響を及ぼします。イライラしたり、何でもないことで泣いてしまったり、ボーとしたり、眠くて仕方がなかったり、集中力が無くなったりします。このような症状をまとめて月経前症候群と呼んでいます。エストロゲンは女性の体全体の好不調に関係しています。