Dr.川島のスキンケアコラム

再生医療という夢のある治療法が話題です。失われたあるいは機能が低下した臓器をiPS細胞やES細胞などの幹細胞機能を有する細胞を補充することにより再生させようとする治療法とともに、自分の体内に存在する幹細胞を増やして再生させる治療法が試みられています。

ところで、幹細胞とはどんな細胞なのでしょうか？
我々の臓器にはその臓器に特異的な幹細胞が存在しています。幹細胞と呼ばれる細胞の特徴は、自分と同じ細胞を盛んに作る能力「自己複製能」と、さまざまな臓器の細胞に分化（変化）することができる能力「多分化能」を有することです。

例えば、骨髄幹細胞はさまざまな血液中の細胞に変化しますし、脂肪幹細胞は脂肪細胞だけではなく、皮膚の細胞へ分化することも可能です。これらの幹細胞が全身の臓器で細胞の入れ替わりに活躍している訳です。ただし、これらの幹細胞は加齢とともに数が減少し、さまざまな細胞へ変化する能力も低下してしまいます。その意味では、老化は幹細胞の数と機能が低下してくる病気である、と言っても間違いではなさそうです。